おひなさま

さととおひなさま

ちょっと書くのが遅くなってしまいましたが・・・今月2、3日の週末には、実家に帰っていました。
さとかに、「おひなさま」を見せたいと思ったからです。
さとか「専用の」おひなさまは残念ながらなくって、今となっては私(母)のと兼用です。
アパートにいたときは、どうしたって置き場所もなかったし、私の(正確には私と私の妹の)おひなさまがまだまだまったくきれいで健在なので、それで十分なのです。
うちのおひなさまはガラス箱入りです。
「ホコリもつかないから」というのが多少潔癖の気がある私の母の持論なのですが、確かに彼らは生まれてから三十数年も経っているはずなのに、おひなさまをはじめ、侍従や五人囃子たちまで汚れやシミもほとんどなく、美しくガラス箱に収まっています。
今回はちゃんと自分でも手にとって、一体一体しまうのまで手伝いましたが、あらためて見ても、木目込みでできていてこじんまりとしたお人形は表情も愛らしく、すでに少し疲れた?自分とそれでも同じ歳月を生きてきたことの貴重さをしみじみと思います。
やっぱり3歳頃の私も、それなりにきちんとした服を着て、今のさとかと同じような格好でおひなさまを背に写っている写真がある。
書棚の奥からひっぱりだして久しぶりに見てみると、やっぱり私とさとかはよく似ています。
顔のパーツも、笑った顔も、それから舌を出したりしている三枚目な表情まで。
この先、そんなさとかにはどんなジンセイが待っているのでしょう。それがどんなものであるにしても、いつまでも優しくおひなさまはあなたを見守ってくださいますように。

ゆうきが幼稚園で作ってきたおひなさまです。
顔の部分は綿をくるんだ布。からだは色のついたダンボール。
少しボサっとした髪の毛が付いているのがおちゃめです。
なかなかかわいいので、この先しばらくまで飾っておいてもいいかなぁ〜。


追記:私の、86になるおばあちゃんのおひなさま談。
祖母は、長男である私の父をはじめ、歳の近い男の子3人を育てた。
畑仕事で忙しく、子どもはやんちゃ放題。
「お嫁のときにおひなさまを持ってきたんだけんど、まーずシンチ(伸一という私の父)たちがいたずらでハサミでジョキジョキおひなさまの髪の毛を切っちゃって、しょーがねえから早川(地元の川)に舟乗っけて流しちゃったんだよ、ハハハハ」。
・・・利根川の支流の、当時は護岸工事などもされていないだろう、田んぼの合間を走る小さな川に、ボサボサ頭になったおひなさまたちが流されていく風景。なんだかのどかで、こっけいで、おばあちゃんのちょっとセンチな心情と、それ以上に母としての、もうそんなことは全くかまわないといった気持ちの混ざり合った表情を、孫の私は勝手に想像して、なんだか笑ってしまうのです。