「ノルウェイの森」

1Q84」が面白かったので、
つい久しぶりに手にとってしまった。

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)





どのくらい久しぶりかというと、
初読:18のとき。
初版、ベストセラーの頃。
内容としては「少しオトナの世界」で、
はたち前後のお兄さん、お姉さんを想像するように読んだ。
何というか、読みながら「透明な気持ち」になっている自分がいた。
「透明な気持ち」としか表現できないのだが、その感覚をよく覚えている。


再読:23、4の頃。
メンターとしていた職場の先輩先生(国語)がよく読んでいたので、
私も触発されて。
同年代の心の痛み、としてとらえた。


今回、再々読。
気づけば「ワタナベ」が当時を回想する年齢(37)をひとつ越え、
直子のルームメイトであるレイコさん(38)と同じ年になっていた。


それでも、18の頃初めて読んだときと同じように、
「透明な気持ち」に自分が支配されたのは、変わらなかった。


レイコさんがワタナベに人生の忠告をしている部分、同じ年齢の私にはわかる・・・はず。
ただ、レイコさん自身も自分の人生をまだつかみきれていないし、
37のワタナベが当時のことを詳細に書き綴ることができたからといって、
ワタナベ自身が自分の人生を集約できたわけではない。


37、8の心の痛みはずっと変わらず存在している。



なぜ村上春樹はこの物語を、単純に「はたちの青春物語」として描かなかったのか。
もしそうしていたら、もうちょっと軽く、このお話を読めたのに。


ノルウェイの森 【スペシャル・エディション2枚組】 [DVD]
映画「ノルウェイの森」公式サイト


これ、観るべきか、観ざるべきか。
ネットの評価もこれまたさまざま。

まったく個人の好みの問題なのかも。


上映は、去年の12月にはじまり、
今月の上旬には残念ながら終わってしまっているみたい。


DVD借りてこようかな。
でも夫とは一緒に見られそうにないなあ〜(苦笑)