新緑の森と原っぱを歩く。
最近、子どもに主導権を握られてるな、と思うことが多い。
「こっちに、おさんぼ行こう!」
「かけっこしよう!」
「おさかなつり、やろう!」(枝に葉っぱをさして)



私は、後ろをついていけばいい。
それで「一緒に」に応えてやればいい。



親の「〜しなさい!」はここでは関係ない。
親が、やることを決めることもない。



親が主役なのではない。
見守り、ときに助言し支える。
主役を輝かせるために、うまく采配する脇役。
主役が笑顔なら、脇役もうれしい。


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ゆーきが放課後、遊びに出かけたのに浮かない顔で帰ってきた。
どうしたの?と聞くと、何も話さない。
でも、ようやく「カードゲーム」が原因で友だちといざこざになったと話した。
けれど、ゆーきはそこで何も言わずに、帰ってきてしまったとわかった。
私は言った。
「言葉にして伝えなくちゃ、相手はわからないんだよ。」
ゆーき「かばんを引っぱられて、なにか言えるような感じじゃなかったんだよ。」
私「それでも、『かばんを引っぱらないで』とちゃんと言って、どうしたら解決するか、話し合ったほうがいいと思うよ。」



ゆーきは、じゃあまた行ってくる、と言って友達のところへ出かけていった。
ところが、集まる場所が変わったのか、会えなかった、と行って戻ってきた。



でも「何とかして今日中に解決したい。」とゆーきは言った。
ママ、○○くんちの電話番号わかる?


でも、その子とは同じクラスになったことがなかったので、連絡先がわからない。
なので、知っていそうなお母さんに聞いてあげる、と私がママ友にメールで連絡をとる。



自宅の番号がわかり、ゆーきは電話をする。
私は家事をしながらそれとなく聞いている。


「○○? カードのことだけど、どうする?」

うん、うん、とううなずきながら話している。


「わかった、ありがとう。」

ゆーきの顔がぱっと明るくなった。




そう、私はゆーきのその顔が見たかった。



そうだね、よく話し合えた。
○○くんとの問題を、お互いに解決できた。



よかった、その経験が、将来の大きな糧になる。
お母さんは、知ってるよ。